超音波検査室 >> 実際の症例 >> 頚部領域 >> 甲状腺
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 40歳 女性


 他院にて甲状腺腫大を指摘され、当院に紹介された患者様です。
 触診で甲状腺腫大、血液検査で甲状腺機能低下を認めたため
 精密検査目的で甲状腺の超音波検査が行われました。






 甲状腺の大きさ

   甲状腺峡部 3.2mm
   甲状腺右葉  幅 24mm  厚さ 20mm  長さ 55mm
   甲状腺左葉  幅 21mm  厚さ 16mm  長さ 48mm



 患者様自身は痩せ型の体型で、確かに甲状腺部分が腫大しているように見えましたが
 超音波検査の計測値では甲状腺の明らかな腫大は認めませんでした。


 通常、甲状腺の体表側(胸鎖乳突筋と接する面)に注目してみると、
 右葉と左葉部分の体表側では凸に観察され、峡部と右葉、左葉の境界部では凹に観察されます。


 しかし、この画像では峡部を頂点として甲状腺全体の体表側面が凸に観察されています。
 軽度ですが甲状腺の腫大があるものと考えました。
 また、甲状腺実質は不均一に観察され、甲状腺の辺縁は軽度の凹凸を伴って観察されました。
 画像は表示していませんがドップラーで血流を計測しても、甲状腺実質の血流信号は乏しく観察されます。


 血液検査で甲状腺機能低下が指摘されていることもあり、
 甲状腺の腫大は軽度ですが、比較的典型的な慢性甲状腺炎の所見と考えました。


 後日、抗TPO抗体が陽性、抗サイログロブリン抗体が陽性、であることがわかり
 慢性甲状腺炎と確定診断が付いた症例です。