超音波検査室 >> 実際の症例 >> 頚部領域 >> 甲状腺
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 47歳 女性


 他院で治療を受けており、詳細はわからない状況でしたが、
 10年以上前に甲状腺に異常を指摘されたことがある患者様です。

 乳癌検診を行ったところ、乳癌を指摘され当院に紹介、受診、当院にて手術を行った患者様で
 術後の Follow up 中に血液検査で甲状腺機能低下を指摘され、超音波検査が施行されました。







 甲状腺の大きさ

   甲状腺峡部  1.4mm
   甲状腺右葉  幅 11mm  厚さ 12mm  長さ 38mm
   甲状腺左葉  幅 13mm  厚さ 10mm  長さ 34mm


 はじめにプローブをあてた時には「甲状腺が無い?」と思ったほど甲状腺は萎縮して観察されています。
 萎縮の程度は、右葉、左葉、峡部、のいずれでも同様に観察され
 わずかに観察される甲状腺実質内部は不均一に観察されています。
 甲状腺辺縁には凹凸を伴い、ドップラーをあてても実質内部に明らかな血流信号は検出できません。


 同時に行われた血液検査の結果を見てみると
 甲状腺刺激ホルモン(TSH)は 6.8μU/mlと高値なのに対して、
 遊離トリヨードサイロニン(Free T3)は 0.8pg/ml
 遊離サイロキシン(Free T4)は 0.8ng/dlと著明に低下していました。、
 抗TPO抗体、抗サイログロブリン抗体は 陽性、で、
 血液検査、超音波画像ともに慢性甲状腺炎に伴う変化と考えました。


以前から甲状腺の異常を指摘されていたということだったので、慢性甲状腺炎が以前から存在し
経過が長くなってくるに従って甲状腺は萎縮してきたものと予想でき
慢性甲状腺炎の病期分類の最も重症度の高い、萎縮性甲状腺炎と考えられます。