超音波検査室 >> 実際の症例 >> 頚部領域 >> 甲状腺
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 49歳 女性


 以前から患者様御本人は、甲状腺の膨隆に気が付いていたようですが、放置していたそうです。
 気管支炎疑いで近医を受診したところ、左右差のある頚部の膨隆を指摘され
 精密検査目的にて当院に紹介、受診され、頚部超音波検査が施行されました。



  

  




 甲状腺の大きさ

   甲状腺峡部 1.5mm
   甲状腺右葉  幅 20mm  厚さ 18mm  長さ 47mm
   甲状腺左葉  幅 22mm  厚さ 19mm  長さ 48mm



 甲状腺左葉に腫瘤性病変を認めています。
 腫瘤の大きさは約34×29×18mmで、境界は明瞭、腫瘤周囲には被膜と思われる低エコー領域が
 全周性に観察されます。
 腫瘤の内部は甲状腺実質と同等かやや低いエコーレベルで描出されており、
 一部嚢胞変性と思われる無エコーで描出される領域を伴っていますが、その領域は腫瘤と比較すると
 非常に小さい領域に限局した変化であることがわかります。


 腫瘤性病変内をカラードップラーにて観察すると、豊富な血流信号を認めます。
 甲状腺実質と比較して、著明に血流が多い腫瘤であることが容易に判断できます。
 比較的典型的な所見を示している腫瘤で、超音波検査では濾胞腺腫が疑われると報告しました。


 この後、この患者様は約1年間経過観察を続けましたが、腫瘤が徐々に大きくなっていく傾向にあるため
 腫瘤の摘出術が行われました。
 術後病理の結果は濾胞腺腫が疑われており、悪性化を示唆する領域はなかったそうです。