超音波検査室 >> 実際の症例 >> 頚部領域 >> 甲状腺
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 62歳 女性


 以前より頚部に腫瘤を自覚していたが、放置していた患者様です。
 最近になり頚部の膨隆を更に強く自覚するようになり、頚部の圧迫感を伴うようになったため
 当院の外来を受診された患者様です。



  

 



 甲状腺の大きさ

   甲状腺峡部 1.5mm
   甲状腺右葉  幅 70mm  厚さ 45mm  長さ 計測不能
   甲状腺左葉  幅 21mm  厚さ 19mm  長さ 48mm



 甲状腺右葉全体を占めるように大きな腫瘤性病変を認めています。
 腫瘤の最も長い径はプローブよりも大きく正確な計測は困難ですが、2断面での評価で計測すると
 腫瘤の大きさは約82×65×42mmでした。


 甲状腺峡部、左葉に腫瘤性病変は認めず、甲状腺実質も均一で明らかな異常所見は認めません。
 甲状腺右葉に観察されている腫瘤は、境界は明瞭、被膜を認め、内部は甲状腺と同等のエコーレベルで描出され
 内部は分葉状の形態を示し、不均一に描出されています。
 また、一部嚢胞性に変性した領域を認め、大きく成長していることからも
 超音波上、濾胞腺腫を疑うことは可能です。


 一般的には濾胞腺腫の場合、腫瘤の内部エコーは比較的均一に描出されることが多いですが
 この腫瘤の場合、内部に多房性の隔壁のような構造が全体的にみられ不均一な印象を受けます。
 はっきりと悪性化を疑う所見は観察されませんでしたが、腫瘤の最大径が約70mmと著明に腫大しており
 内部も不均一に観察される腫瘤であることから、悪性化の可能性が十分にあると判断しレポートを書きました。



 その後、この腫瘤に対して外科的切除術が施行されました。
 病理の結果、悪性を疑う領域は腫瘤内に認めなかったそうです。