超音波検査室 >> 実際の症例 >> 頚部領域 >> 甲状腺
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 61歳 女性


 以前より慢性甲状腺炎にて経過観察されていた患者様です。
 3年程前から左葉に腫瘤性病変を指摘され、画像所見から濾胞腺腫が疑われていました。
 3年程前の初めて腫瘤性病変を指摘された際には、細胞診を行い濾胞腺腫疑いとなり
 悪性細胞は認めなかったそうです。 今回は腫瘤の経過観察目的として頚部超音波検査が施行されました。



  

 



 甲状腺の大きさ

   甲状腺峡部 1.5mm
   甲状腺右葉  幅 40mm  厚さ 23mm  長さ 66mm
   甲状腺左葉  幅 21mm  厚さ 19mm  長さ 48mm



 甲状腺左葉全体を占めるように大きな腫瘤性病変を認めています。
 腫瘤の径は約82×65×42mmで、3年程前から半年ごとに Follow up が施行されていましたが
 径時的にみてみると、腫瘤の大きさは徐々に大きくなっているようでした。


 腫瘤自体は境界明瞭、辺縁平滑、内部は甲状腺実質と同等か、ややエコーレベルが低く観察され
 不均一に描出され、腫瘤内の血流も豊富に観察されました。
 腫瘤内の一部に嚢胞変性を認める領域があり、被膜も明瞭に観察されるため
 細胞診で結果がでている濾胞腺腫として超音波所見も合います。


 明らかな浸潤所見や微細石灰化等の異常所見は認めず、積極的に悪性化を疑う所見は認めませんが
 大きさが66mmと大きく成長しているため、悪性化の可能性は十分にあるとレポートしました。



 この後、、継続的に成長性のある腫瘤と判断され外科的切除術が施行されました。
 そして、病理診断の結果から、一部悪性化を伴う濾胞腺腫と判断されました。


 超音波検査が施行されてから2~3週間後の切除標本から癌細胞が検出されているので
 恐らく、この超音波検査が施行された段階でも癌は存在していたと考えられます。
 しかし、後から超音波画像を見直してみても、やはり癌を疑う所見は見つけられませんでした。