超音波検査室 >> 実際の症例 >> 頚部領域 >> 甲状腺
 まず、はじめに
 超音波検査の基礎
 検査の進め方
 正常例の画像
 実際の症例
   上腹部領域
   下腹部領域
   乳腺
   頚部領域
       甲状腺
       上皮小体
       頚部血管
       その他
   四肢領域






  


 57歳 女性


 以前より橋本病にて経過観察されていた患者様です。
 6ヶ月ごとの経過観察目的にて甲状腺の超音波検査が施行されました。



 甲状腺の大きさ

   甲状腺峡部 4mm
   甲状腺右葉  幅 28mm  厚さ 25mm  長さ 51mm
   甲状腺左葉  幅 27mm  厚さ 26mm  長さ 49mm


 甲状腺右葉にプローブをあてると非常に不均一な甲状腺実質が観察されました。
 甲状腺の境界は保たれていますが、やや腫大しているような形状で観察され、
 甲状腺内部は不均一でエコーレベルが極めて低い領域を伴っており、その一部は嚢胞のように観察され
 偽嚢胞様所見と考えられます。

  ← ここをクリックしてください。偽嚢胞様所見と思われる場所を表記します。





 甲状腺左葉を観察してみると深部側にエコーレベルの高い領域が観察され
 正常甲状腺実質であると考えられます。
 病変部と思われる低エコーな領域に食い込むように正常甲状腺実質が存在しており
 「切れ込み像」と考えました。

  ← ここをクリックしてください。偽嚢胞様所見と思われる場所を表記します。


  


 甲状腺実質は全体的に豊富な血流信号が観察され、偽嚢胞様所見と思われる低エコー領域にも
 血流信号が確認できます。
 また、左上画像のように、複数の頚部リンパ節が類円形でエコーレベルが低く観察されており
 これも悪性リンパ腫の典型的な所見を示していると考えました。
 典型的で特徴的な超音波所見が観察され、甲状腺原発の悪性リンパ腫を疑いました。


 この患者様に対しては、甲状腺組織から diffuse large B-cell lymphomaと診断され
 化学療法が導入されました.