超音波検査室 >> 実際の症例 >> 頚部領域 >> 甲状腺
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 59歳 女性


 脳梗塞(ラクナ梗塞)にて通院中の患者様です。
 頚動脈超音波検査を施行中、甲状腺に異常があることに気が付き
 そのまま、甲状腺の精密検査を行った際の画像です。






 甲状腺の大きさ

   甲状腺峡部 2mm
   甲状腺右葉  幅 13mm  厚さ 18mm  長さ 48mm
   甲状腺左葉  幅 14mm  厚さ 21mm  長さ 44mm



 甲状腺自体の明らかな腫大や辺縁の不整像は認めませんが、甲状腺実質内は不均一に観察されています。
 甲状腺実質の不均一な超音波画像は、甲状腺全体にびまん性に観察されています。
 甲状腺実質内での血流信号の増加は認めず正常範囲内であると考えられました。


 既往歴を聞いてみたところ、十数年前に慢性甲状腺炎を指摘されたことがあるとのことでした。
 頚部の痛みや、頚部(甲状腺)の腫大が気になったことは無いともいっていました。


 明らかな甲状腺の腫大は認めませんが、甲状腺実質が不均一に描出されていることや
 血流の増加や痛みがないこと、既往に慢性甲状腺炎があることなどから
 無痛性甲状腺炎を疑った症例です。




 この超音波所見により、後日甲状腺ホルモン等のチェックが行われました。
 T3、T4は上昇し、TSHは低下していました。TRAb等の異常は認められなかったため
 無痛性甲状腺炎と確定診断がついた症例です。


 血液検査で甲状腺ホルモンの確認は径時的に行われていましたが、甲状腺超音波検査での経過観察は
 行われませんでした。恐らく症状が無かったからなのでしょう。