超音波検査室 >> 実際の症例 >> 頚部領域 >> 甲状腺
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 26歳 女性


 他院検診で甲状腺腫大を疑われた患者様です。
 甲状腺腫大疑いで当院を紹介受診され、採血の結果 T3=4.5pg/ml T4 1.9ng/dl TSH 0.008
 と甲状腺機能亢進症を認めたため、超音波検査を施行することになりました。




 甲状腺の大きさ

   甲状腺峡部 2.2mm
   甲状腺右葉  幅 18mm  厚さ 16mm  長さ 45mm
   甲状腺左葉  幅 18mm  厚さ 15mm  長さ 44mm



 超音波上、甲状腺の計測値は正常範囲内で限局的な腫大も認めませんでした。
 甲状腺辺縁の凹凸もはっきりせず、ドプラ上血流が豊富に観察されるということもありませんでした。
 唯一、超音波でいえる所見は、甲状腺実質が全体的に不均一に観察されているくらいです。



 血液検査では甲状腺機能の亢進と、TSHが低い結果が得られていますが
 超音波所見から考えるとバセドウ病は否定的です。
 そうなると、考えやすいのは破壊性甲状腺炎ということになります。


 患者様にもいろいろ話を伺いましたが、特に頚部痛を感じたこともなく、その他の症状もないということなので
 破壊性甲状腺炎の中でも、亜急性甲状腺炎よりは無痛性甲状腺炎の方が考えやすいと思いました。



 血液検査と超音波検査の結果をうけて、臨床側ではTSHレセプター抗体の検査が行われました。
 その結果は、TRAb、TSAb、ともに陰性の結果だったので、バセドウ病はやはり否定的であったため
 特に治療は行わず、経過観察となりました。


 2ヶ月後に行われた採決では、TSHがやや低かったものの、T3、T4、ともに正常化したため
 無痛性甲状腺炎として確定診断がつきました。