超音波検査室 >> 実際の症例 >> 頚部領域 >> 甲状腺
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 47歳 女性


 動悸、発汗などの症状から他院にて甲状腺機能亢進症として加療されていた患者様です。
 投薬による治療が行われ、一度甲状腺機能が正常化したため、治療が終了していたそうです。
 それから2~3年後、頚部に違和感を感じ当院を受診されました。
 甲状腺機能亢進症が既往歴にあったため血液検査が行われ、
 甲状腺ホルモンの上昇とCRPの上昇が指摘されました。


 明らかな頚部痛が無かったが、無痛性甲状腺炎、亜急性甲状腺炎等が疑われ
 超音波検査が施行されました。






 甲状腺の大きさ

   甲状腺峡部 3.2mm
   甲状腺右葉  幅 17mm  厚さ 20mm  長さ 52mm
   甲状腺左葉  幅 17mm  厚さ 19mm  長さ 54mm



 甲状腺はやや腫大しているように観察されます。
甲状腺実質内には比較的境界明瞭で内部は不均一な低エコー領域が散在して観察されており
まさしく地図状エコーと呼ばれる超音波所見と考えられます。


カラードップラでは甲状腺実質と低エコー領域を比較すると、低エコー領域の方が血流信号が少なく観察され
亜急性甲状腺炎として矛盾しない所見だと考えました。


しかし、甲状腺実質内に観察される低エコー領域を描出しながら、その部位に圧迫を加えたりしてみましたが
明らかな圧痛は訴えず、無痛性甲状腺炎と亜急性甲状腺炎の鑑別に悩みましたが、
結局、その鑑別はできませんでした。 少なくても破壊性甲状腺炎であると判断して検査を終了しました。



この患者様は超音波検査によるその後の経過観察を行っていませんが、
臨床で経過観察中に頚部痛が出てきたそうです。
血液検査でCRPの上昇、赤沈の上昇を伴い、甲状腺ホルモンの上昇を認めていたため
亜急性甲状腺炎と診断されました